国語・現代文の読解力不足の小中学生は親子の会話で成績アップ

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国語の読解力ほど学習が難しい物はありません。

一番効果が高いのが読書と言われています。

しかし、これは読書が好きな子がそうなるだけで、読書が苦痛だと意味がありません。

そんな中、昔から漫画は読解力向上に意味がないと言われていましたが、漫画も読み方次第、作品次第では国語力を上げるものとされてきています。

そのことから導き出されるのが親子の会話。

友達同士の会話ではコミュニケーション能力が上がりますが、国語・現代文の読解力は親子の会話でしかあまり上がりません。

本を読まないと新しい言葉は耳に入らない

同世代の友達同士の会話というのは、基本的に馬が合う者同士の会話になるため、コミュニケーション能力は伸びても語彙力は伸びません。

特に伸びないのが抽象的な表現です。

単純に桜の花が綺麗という状況を、どれだけ他の表現で言えるか?

読書好きな人は様々な表現を目にしているため、この状況をいろいろふくらませる言い回し、抽象的な言葉を出すことができます。

でも友達同士の会話だと、「綺麗だった!」「うん、綺麗だったね!」というところから発展しないのです。

親子の会話で子どもの読解力を引き上げる方法

つまり、その子の表現力、語彙力、抽象表現力を上げる、つまり文章の読解力を上げるには、普段の生活では耳に入らない、目に飛び込まない言葉が必要になります。

だから読書好きな子どもは読解力が高まるのです。読んでいるのは文章のプロが書いた言葉の一流の表現なのですから。

では読書好きでなければどうするのかというと、親子の会話が一番なんです。

だからといって、子どもに「こういう場合、他の言い方ある?分かる?」みたいなことをしてはいけません。子どもはちんぷんかんぷんです。

そうではなくて、子どもの発した会話に対して、親ができるだけ抽象的な表現だったり、AまたはB、AだけどBだった、といった文章構造、または単語と並列してよく使う単語や表現を加えて返答してあげるのです。

語彙力・言い回しを増やす事例

「今日ね、教室の裏ですごい大きなダンゴムシ捕まえた!友達にすごいって言われた」

「大きいってこれくらい?」

「ううん。こんなの!」

「じゃあ凄まじい大きさだ。興奮が冷めやらないね」

この会話が正しいかどうかは置いておいて、子どもが普段使わない表現の仕方であっても、体験と一緒に耳にした言い回しや表現は脳のどこかに残ります。

何も、凄まじいという言葉の意味を教える必要もありません。会話の流れから言って、なんか「すごい」よりすごいという感じに頭に残りますし、興奮が冷めやらないというのも、その子自身の気分や状況のことを言っているような雰囲気は何となく伝わっています。

これを、親が

「じゃあすごい大きいね」

と、子どもの言葉そのままに返すだけでは、子どものボキャブラリーは増えていかず、国語・現代文の教科書の難しい表現や言い回しについていけなくなります。

文章構造の動き・変化を読み取る力が身につく事例

「今日さ。友達のトモ君とケンカになったんだ…」

「仲直りできそう?」

「うん…多分…」

「あなたはちょっと前まで頑固なところあったけど、新しいクラスになって友達が増えて柔軟になったよね。あなたならうまく仲直りできるんじゃない?」

この会話の場合、「あなたなら大丈夫!」というだけで終わらず、

【以前はマイナスだった、こういうことがあった、だから今はプラスだ】

という

【昔AだがBということがありCになった】

という、小説や物語でよくある流れになっています。

これは、読解問題で、登場人物の成長、変化の理由や、気持ちの変化の様子などを問われる場合の能力に結びつきます。

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太郎は以前から少し頑固なところがあった。そのためか、些細なことで友達と喧嘩になり、本当は仲直りしたいのに自分から切り出せないことが多かった。この性格自体は親の花子より子ども太郎自身が気に病んでいた。

太郎のこの少し意固地な性格は、小学高学年に上がろうとするときも、花子からするとあまり変化を感じられなかった。むしろ体が大きくなってきたせいか、より頑固さがその姿を膨らませているようにも思えた。

ただ高学年になる前に始めた地元のサッカークラブが楽しいのか、以前より自分のこと自分から花子に話すようになった。特に、失敗したことに関しては決して自分から口にすることはなかった。プライドが高いのは父親譲りなのか、そのまた父の祖父譲りなのか。花子は私の遺伝子ではないから私の教育次第かしら、と冗談交じりに思っていたため、太郎が失敗に対して向き合えるようになりつつあるのが嬉しかった。

小学4年生になり1ヶ月ほどたったある日、花子が玄関の掃除をしていると、顔に擦り傷を作った太郎が下校してきた。また喧嘩ね。花子は驚くこともなく、あえて太郎に何も聞かなかった。聞いても聞き出せる情報は少ない。折を見て話をしてみるのが懸命と思っていたからだ。

意識を掃除の途中の箇所に戻したとき、太郎がまだ玄関に突っ立っていることに気づいた。

「ケンジ君と喧嘩になった…」

太郎は下をうつむいたまま、聞いてほしいけどあまり聞こえてほしくもないような、後悔と共にどうにかしてほしいという願望にも似た小さな声で花子に話した。

花子はあまりに意外な太郎の姿に驚きつつも、それを打ち消す嬉しさにも似た我が子の成長を身にしみて感じた。
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問:下線部で花子が驚いた理由を答えよ。

という問題があった場合、太郎が頑固でプライドが高く、自分から自分の失敗を口にすることがあったのに、自分から失敗を親に言うようになったから、という太郎の成長の変化、そしてそれがサッカークラブが原因であろうという理由について読解できれば正解なわけです。

こういうのは、読書をしていれば自然に身につくものですが、ちゃんと読んでいないとやはり身につきません。

なので、親子の会話の中で、Aだった。でもBがあったからCになった。そういう変化の流れを、子どもの体験自身になぞらえて返答してあげればいいのです。

それを一杯経験すれば、ある行動に至るまでに必ず過程があることに馴染み、読解問題で問われる部分から該当する文章部分を見つけ出せるようになります。

また、こういった学習は、自分自身の失敗や障害にぶつかったときに、何がダメだったのか?と問題原因を自ら調べに行く姿勢も身につきます。

漫画でも読解力は身につけられる

最初に書いたように、漫画でも読解力は身につけることができます。

もちろん漫画の内容がそれなりに文章化できるほどの内容じゃないときついですが、いわゆる人気マンガならそれは満たしています。

通常、小説などを題材にする場合、ある部分、せいぜい原稿用紙1枚分に満たない文章から抜粋されて問題作成されます。

しかし漫画の場合は絵があるので展開が早いため、漫画の一部というより、ある程度通した範囲で題材にするといいですね。

例えば「ドラえもん」を題材にすると、ジャイアンはたまにのび太に優しくなりますよね。その理由なんかを子どもに聞いてみるといいでしょう。

覚えていたら結構なぜという理由を教えてくれますし、答えられなかったとしても、今度読むときはそういった前後変化の過程に気づきながら読むようになります。

忍者漫画のNARUTOだったら、なぜ主人公のナルトは、落ちこぼれで里のみんなから嫌われていて、さらに性格が短絡的で無鉄砲なのに、今あれだけ周りに仲間が多いのか?というのもあります。

名探偵コナンや金田一少年の事件簿といった推理漫画もそう。推理も変化を捉えるものなので、犯人の心境なんか絵で描かれているところを、実際にどんな風に考えていただろうか?と言葉で表現してみると幅が広がりますね。

漫画という非活字媒体でも、物語である限り必ず作中で変化があり、なぜ?という理由が必ず描かれています。

うちの子は漫画しか読まない!!

だったらそれを逆手に取るのもできる親の仕事なのかもしれませんね。

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